東北の港町石巻でのコンサート。会場の石巻文化センターは、すぐ近くを東北の大河北上川が流れ、太平洋に注ぐ、まさにそこに建つホール。外は晩秋の木枯らしが吹き観客の出足が心配された。多目的ホールなので響きが悪く、演奏家にとっては悪条件のなかでのコンサートであった。そんな悪条件を吹っ飛ばすようなすてきなコンサートだった。
一昨年となりの町東松島市でのコンサートは直前に用事ができて1曲しか聴けなかった。今回は実行委員としてリハからじっくり最後まで聴くことができた。しかも夜の打ち上げ交流会もバッチリ。本当にいい日だった。今回は、舞台の袖から美保さんの横顔を見ながら、じっくり鑑賞させて頂いた。
語りもよかった。演奏家が演奏しながら語るのだからさぞ大変かと思う。すこし押さえぎみの語りは、詩を朗読するような一言一言かみしめるような語りで、会場の聴衆に大きな感動を与えた。特に平和や沖縄に関する率直な思いに対し、会場からは暖かな大きな拍手が寄せられた。
もちろん演奏もよかった、ピアソラの「オブリビオン」は、ソプラノSaxに持ち替えての演奏で高音が胸に染みた。アコーデイオンを少し嗜む私にとって、「パリの空の下セーヌは流れる」とともに心に残る演奏だった。初めてブラバンでSaxを知り吹いていた中学時代を思い出した。Saxは私には忘れられないいろいろな思い出がいっぱい詰まっている楽器だ。あれからもう40年も時間が過ぎ去ってしまった。
美保さんの演奏が私を初め多くの聴衆の心を慰め、明日に生きる希望を与えたくれたように思う。
これからもすてきな演奏で多くの人たちを励ましてください。