![]() 2005年12月24日(土) |
| ま文 まびっく会員 藤本直樹 |
| 去る平成17年12月24日、中川美保さんにとって一年間の最後を飾るクリスマスコンサートが開催されました。クリスマスイヴ当日ということもあって、世間はクリスマスムード一色。そんな中、会場となった原宿のアコスタジオは、70人近いお客さんでほぼ満席となり、今冬の寒さを忘れさせるほどの熱気でした。 今回はピアニストには阿部由紀子さんを迎え、クリスマスにふさわしい、しかも非常に盛りだくさんのプログラムとなりました。 第1部では、オープニングはおなじみのエルガーの「愛のあいさつ」。いつもながらの美保さんの繊細な音色に、会場が優雅な気持ちに包まれると、2曲目には2005年の美保さんのテーマでもあったモーツァルトの「ソナタKV304 第2楽章」が演奏されました。一年前、生誕250年を翌年に控える2005年をモーツァルト年間にすることをご自分に課し、ただでさえサクソフォンにアレンジすることが難しい曲の数々を、美保さんは持ち前のチャレンジ精神で日々血のにじむような鍛錬を続けられました。そして、コンサートでの演奏を数えるごとに、徐々に自分のものにされたようです。一年間の集大成とも言えるこの日、「中川美保のモーツァルト」に誰よりも酔っていたのは、他ならぬ美保さんなのかも知れません。そして、「アルペジォーネ・ソナタ 第1楽章」「アヴェ・マリア」とシューベルトの曲が2曲続きました。特に最後のアヴェ・マリアは、静寂の中に響くサクソフォンのその美しい音色に、恍惚としながらつい引き込まれていきました。 その後、クリスマスコンサートならではのチョコレートなどのお菓子やワインをはじめとしたドリンクが振舞われた休憩を挟み、第2部は演奏者のお2人もサンタクロースに扮し、色っぽいサンタ姉妹(?)による、その名も「さぁ〜クリスマスですよ!!」。 ここでは、聖なる夜を飾る讃美歌の数々がメドレーが演奏された後、これも恒例になりつつある「イントロ クイズ」が始まりました。司会を美保さんの弟子のトナカイにバトンタッチし、「雪」「白い恋人たち」「クリスマスイヴ」などのクリスマスや冬を代表する曲のほか、美保さんのおなじみのレパートリーの中から全10曲が出題されました。景品も「ロイズのチョコレート」から「スヌーピー人形」、美保さんが地元のお店で調達された「川越銘菓の数々」とバラエティーに富み、会場のお客さんもしばし童心にかえられたようです。イントロクイズの後、引き続きクリスマスを代表するナンバー4曲(「赤鼻のトナカイ」「サンタが町にやってくる」「そりすべり」「聖者の行進」)が演奏され、会場もクリスマスムード一色に彩られました。 その後、しばらくの休憩の後、いよいよ最後の第3部へ。演奏者の装いも新たに、第2部とは打って変わった雰囲気の中、A・ピアソラの「リベル・タンゴ」、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」というムーディな2曲が演奏されました。第2部の「子供時代の無邪気なクリスマス」とは別の、「大人のためのお洒落な聖夜」と言ったところでしょうか。2曲とも、会場の皆さんを十分に酔わせる名演奏でした。 そして、今回の目玉とも言えるアンコールタイムです。というのも、通常のアンコールと異なり、事前にレパートリー数曲を示しておき、お客さんの多数決により希望の多い曲を演奏してくれるというもの。美保さんの心憎い演出、いや粋な計らいと言うのでしょうか。皆さん、「やはりこれ」という思い思いの曲をリクエストし、その結果、「蘇州夜曲」「パリの空の下セーヌは流れる」「さとうきび畑」「愛の讃歌」というおなじみの名曲4曲が選ばれ(やはり皆さんの思い、好きな曲というのはそれなりに重なるものなんですね。もちろん、演奏が素晴らしいからゆえの選曲なのですが。)ました。これらの演奏の順番を決めた演奏者そして司会者の見事な演出も加わり、最後にもっとも盛り上がるといっても過言ではない「愛の讃歌」が演奏され、会場内が割れんばかりの拍手の中、2005年の最後を締めくくるクリスマスコンサートは大盛況の内に幕を閉じました。 実はこの日、美保さんは風邪のため、非常に体調が悪い中での演奏となりました。しかし、温かい気持ちで聖なる夜を迎えるには十分すぎるほどの熱演で、会場にいたお客さんたちを酔わせてくれたと思います。そのプロ魂に心から拍手を送りたいと思います。 既にスタートしている今年2006年も、美保さんのさらなる活躍を願ってやみません。中川美保のサクソフォンを愛してやまない皆様も一緒に、是非これからも美保さんを支えていきましょう。 |